こんにちは!ママブロガーのみやです。
今回のテーマは「乳幼児医療、ひとり親医療、重度医療の違い」です。
どれも子どもが受けられる医療費助成の制度ですが、受給要件がどうなっているかご存知ですか?
おそらく出生届を出した時に、役所の窓口で言われるがままに登録申請手続きをしている方がほとんどだと思います。
もちろん、役所職員の指示通りでOKですよ!
お得な裏技とかそういうものは存在しない制度です。
今回は、それぞれの医療費助成のカバー範囲や、受給要件が重複している場合はどうなるのかなど、知っていれば役に立つ情報をお伝えします。
それぞれの制度について
乳幼児医療、ひとり親医療、重度医療は、どれも医療費を助成する目的の制度です。
市区町村により、助成金額や助成方法が異なります。
例えば・・・
自己負担金:あり/なし
所得制限:あり/なし
助成方法:還付方式/窓口無料方式
還付方式とは、病院窓口で自己負担分を支払い、後日役所に支払い分の申請をして払い戻しを受けるものです。
窓口無料方式とは、病院窓口での患者支払いが発生しない方法です。
患者の自己負担分の医療費情報を、病院・健康保険・役所でやりとりし、役所が助成分を直接支払ってくれるものです。
こちらの方が保護者としては手間がかからずありがたいですね。
還付方式が「後からお金を還付する」のに対し、窓口無料方式は「病院で”医療”という現物を給付する」という考え方から、現物給付とも呼ばれます。
どれも医療費を補助してくれる制度ですが、受給要件やカバー範囲に差があります。
あくまでも”医療費”助成であるため、医療費とはみなされない=保険適用にならないものは、助成を受けられません。
例えば病院の個室代、差額ベッド代、着替え、食費、薬局でもらう薬のケースなどです。
また、生活保護を受けている場合も受給できません。
詳しく見ていきましょう。
乳幼児医療費助成制度とは
乳幼児医療費助成制度(以下乳幼児医療)とは、地方公共団体が乳幼児の医療費の自己負担分を助成する制度です。
受給要件は以下の通りです。
●支給対象年齢以下
●健康保険に加入している
市区町村によっては所得制限があります。
各都道府県が事業を行っており、実施主体は各市区町村です。
都道府県ごとの事業であるため、助成の範囲は都道府県により様々です。
そして多くの市区町村では、県が助成してくれる年齢プラスアルファの分を補助してくれます。
例えば○○県は未就学児までの医療費しか助成しないけれど、市区町村が小学校入学から中学卒業までの分を負担してくれるという感じです。
県の助成期間が終わった後にどこまでカバーしてくれるかは市区町村によります。
最長で22歳まで助成してくれる自治体もあります。
子どもはしょっちゅう病院にかかるので、市区町村がどこまで助成してくれるで保護者の医療費負担は大きく変わってきますね。
ひとり親家庭医療費助成制度とは
ひとり親家庭医療費助成制度(以下ひとり親医療)とは、地方公共団体がひとり親家庭の親と子どもの医療費の自己負担分を助成する制度です。
乳幼児医療とは異なり、ひとり親医療では親(親でなくても独り身の養育者)の医療費も助成対象になります。
受給要件は以下の通りです。
●健康保険に加入している
●養育者の所得が限度額以下(市区町村によっては非課税世帯)
上記の2つを満たした上で、下記のどれか1つに該当すること
・ひとり親家庭の父または母及び児童
・父母のいない児童
・配偶者のいない養育者(独り身の祖父母など)及びその養育者が養育する児童
子どもが18歳になってから迎える最初の3/31まで(高校卒業の年度末まで)が助成期間です。
なお、市区町村により所得の限度額などが異なる場合があります。
詳しくはお住まいの地区の役所にお尋ねください。
関連記事:【ひとり親手当】受けられるのはひとり親家庭だけではありません。
重度心身障害者医療費助成制度とは
重度心身障害者医療費助成制度(以下重度医療)とは、地方公共団体が心身に障害を持つ方の医療費の自己負担分を助成する制度です。
乳幼児医療と同じく、対象者本人のみの助成制度なので、養育者の医療費に対する助成はありません。
また、年齢制限はないため、乳幼児医療やひとり親医療で助成を外れる年齢になっても、こちらはずっと受給できます。
受給要件は以下の通りです。
●健康保険に加入している
●所得が限度額以下
上記の2つを満たした上で、下記のどれか1つに該当すること
・身体障害者手帳1~3級
・療育手帳Aを所有
・精神障害者保健福祉手帳1、2級
・国民年金障害等級1、2級
なお、市区町村により所得の限度額などが異なる場合があります。
詳しくはお住まいの地区の役所にお尋ねください。
関連記事:【未熟児養育医療】2000g以下で産まれた赤ちゃんのための制度。自己負担や手続きは?
受給要件を重複して持っている場合はどうなるのか
例えば、シングルマザーなどでひとり親医療の要件を満たし、なおかつ子どもに障害があるような場合ですね。
そういう時は、医療費助成制度の優先順位に従ってどの制度が適用になるか判断されます。
優先順位は、①重度医療、②ひとり親医療、③乳幼児医療です。
そのため助成を重複して受けることはありません。
赤ちゃんが産まれて出生届を出しに行った時に、
①重度障害児かどうか
該当→重度医療
該当しない→ひとり親に該当するか審査
②ひとり親家庭かどうか
該当→ひとり親医療
該当しない→乳幼児医療
③ ①、②にあてはまらない赤ちゃんは乳幼児医療
この3段階で判断されます。
場合によっては、審査がいらないという理由で取り急ぎ乳幼児医療に登録をして病院代がかからないようにして、書類が揃い次第重度医療・ひとり親医療の登録をするというケースもあります。
その結果、助成金額に差が出る場合は後で対応してもらえます。
なお、生活保護を受けていたり、健康保険に加入していなかったりすると受給できません。
受給期間中に受給者の条件が変わるとどうなるのか
乳幼児医療に該当していたが何らかの理由で障害を負ってしまったり、ひとり親医療だったが再婚したりした場合などですね。
そのときは、速やかに市町村に報告します。
事情により報告が遅れてしまうこともありますが、遅れていいことはありません。
事由が発生しているのに未報告だった期間の分は助成を受けられなかったり、または知らずに助成を受けていた分が後日返還請求されたりします。
相談することで自分では知らなかった助成を受けられたりもするので、早めに連絡するようにしましょう。
まとめ:乳幼児医療、ひとり親医療、重度医療
分かりやすく書くつもりが、ちょっとややこしくなってしまいました。
まとめると以下のようになります。
乳幼児医療:重度医療、ひとり親医療に該当しない子が受給
ひとり親医療:重度医療に該当せず、なおかつひとり親医療の要件を満たす子が受給
重度医療:重度医療の要件を満たす子が受給
※生活保護世帯、健康保険未加入の場合は受給できません
乳幼児医療は全ての乳幼児を対象としているので、他の優先的な助成制度(重度、ひとり親)を受けていなければ受給できます。
ただし市区町村によっては自己負担金や所得制限がありますので詳しくは役所にお尋ねください。
ひとり親医療は、受給要件を満たしていれば養育者の医療費も助成対象です。
子どものためだけではなく、”ひとり親家庭”のための制度だからです。
重度医療は、心身障害者のための制度です。
障害は「○歳になれば治る」というものではないので年齢制限はなく、当然子どもも含まれます。
公共団体の制度は色々とややこしいものが多いです。
さらに、こちらから働きかけないと教えてくれないものも多々あります。
逆に、相談すれば親身になって教えてくれます。
困ったこと、分からないことがあったら、早めに役所に相談しましょう。
思った以上に力になってくれますよ。
お読みいただきありがとうございました!